歴博「近代」展示が30年ぶり刷新 琉球・沖縄の視点も充実

国立歴史民俗博物館(歴博)は、総合展示第5室「近代」の展示を約30年ぶりに全面リニューアルする。

2026年3月17日の公開に向け、「世界のなかの近代日本社会」をテーマに再構成を進めている。

「帝国」日本の社会と人びとの経験を可視化

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大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 | 提供画像

リニューアル後の第5室は、「〈国民〉の誕生」「近代化する人びとのくらしと仕事」「〈帝国〉日本の社会と人びと」の3テーマで構成される。

人びとが近代という社会をどのように経験したか、多様な資料を用いて問いかける。

琉球・沖縄からみた「世替わり」の歴史を提示

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大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 | 提供画像

特筆すべきは、展示の中に「琉球・沖縄からみた近代」という独自の視点を設けている点である。

「琉球処分」による日本への編入、いわゆる「世替わり」のなかで人びとがどのような経験をしたかをたどる。

出稼ぎや移民の経験に加え、宮古諸島や八重山諸島のくらしも視野に入れ、多角的な視点から考察する。

固有のアイデンティティを求めつつ、日本への同化が進展した当時の社会状況を、沖縄の視点から浮き彫りにする。

現代展示の「戦争と平和」も一部更新

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大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 | 提供画像

あわせて総合展示第6室「現代」の冒頭部「戦争と平和」もリニューアルを実施する。

1930年代からアジア・太平洋戦争に至る過程で、人びとの意識がどのように変容したかを深める。

今回のリニューアルでは、沖縄という特定の地域から近代史を捉え直す視点が強化されている。かつての琉球王国が近代国家・日本へと組み込まれていく過程を、中央の論理だけでなく、現地に生きる人びとの具体的な経験や多様な地域性(宮古・八重山等)から描き出す試みは、沖縄の読者にとっても示唆に富む内容といえる。歴史の転換期におけるアイデンティティの変容を、膨大な資料とともに見つめ直す機会となる。

(沖縄プレス/okinawapress編集部)

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