東京都渋谷区に拠点を置くNPO法人若者メンタルサポート協会は2025年12月11日、活動10年の節目を迎え、これまでのLINE相談窓口の名称を「Tell Me Link(テルミーリンク)」に改称しました。改称の背景には、相談者が安心して使えるようにすることと、親や友人に相談内容が知られる不安を軽減する目的があります。12月からはhideさんの名曲『TELL ME』が公式テーマソングとして使用されることも発表されました。

同協会は「死にたい」という希死念慮を抱える若者や、虐待・家庭不和による居場所喪失の子どもたちの声に寄り添うことから活動を開始し、現在は全国から毎月1万~2万通の相談が届いています。相談内容はコロナ禍以降多様化し、学校生活、いじめ、友人関係、部活動、恋愛、ジェンダー、身体の悩み、SNSの問題などに及びます。2024年12月には1万7,741件の相談があり、特に平日深夜から夕方にかけて相談が多く寄せられています。

「Tell Me Link」の名称は“Tell Me=教えて、話して”“Link=つながる”を意味しており、どんな気持ちも安心して話せる第三の居場所を目指しています。特徴は、カウンセラーのような形式的な対応ではなく、親戚のお兄さん・お姉さんのように温かく寄り添い、担当制による毎日同じ相談員が対応する継続型の伴走支援を重視している点です。この方式により、相談者は前回の続きの話を自然にでき、信頼関係を築きながらサポートを受けられます。

今回公式テーマソングとして採用されたhideさんの『TELL ME』は、hideさんの実弟で代表取締役の松本裕士様がプロジェクトの理念に共感し、快諾されたものです。松本様は協会の活動開始初期から支援を見守り応援しており、今回のテーマソング決定は長年のご縁が実を結んだ形となります。この楽曲の心の叫びに寄り添う力は、Tell Me Linkの姿勢と共鳴しています。

協会の活動実績は、2012年の個人活動開始から10年以上にわたり、北海道から沖縄まで全国の延べ4万人以上の若者の声に寄り添ってきました。相談はLINEを軸に、24時間365日体制で家庭問題、学校の悩み、人間関係、孤独、身体の悩みなど多岐にわたり対応しています。今後は名称刷新とテーマソング決定を機に、若者の声を社会に繋げる活動を一層強化します。
さらに、かつて相談者だった若者たちが卒業生チームとして広報やイベント運営を担当し、支援の担い手になる循環型仕組みが確立されています。若者主体のオンラインコミュニティ「Tell Me Link」には2025年11月現在、小学生から大学生約40名が参加し、複数のオンライン部活動を自発的に運営。支えられる側から支える側、つながる側へと役割の移行が進む新しい形のコミュニティづくりが進行中です。
Tell Me Linkの相談窓口は匿名・無料で全国の10代~20代を対象に24時間LINEで受付しており、担当制による継続的なサポートと親戚のような寄り添いを特徴としています。詳細は公式サイト https://www.wakamono-support.jp/line から確認できます。
若者の悩みに寄り添う支援が多様化し、毎月数万件もの相談が届く現状は、現代社会が抱える深刻な課題を浮き彫りにしています。相談窓口の名称を変えて利用しやすさと安全性を高め、担当制の継続支援で信頼関係を築く取り組みは、相談者にとって心強い存在と言えるでしょう。また、hideさんの名曲『TELL ME』をテーマソングに起用したことで、若者の心に寄り添うメッセージがより広く伝わりそうです。若者自身が支援の担い手となるコミュニティづくりが進む中で、支え合う新たな社会の形が育まれていくことが期待されます。