沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)では、沖縄戦後80年・ベトナム戦争終結50年を祈念した企画展「ベトナム、記憶の風景」を2025年11月22日から2026年1月18日まで開催しています。二つの戦争の記憶が重なる節目の年に、芸術を通して過去を見つめ、これからを静かに問いかける試みです。

会場では、ベトナムにルーツを持つ、またはベトナムと深く関わるアーティストによる近代以降の作品に加え、館のコレクションからベトナムに関連した作品をセレクトして展示。沖縄とベトナムという二つの地域が共有する歴史や記憶に光を当てながら、鑑賞者がその交差点に立ち、共感や理解を育める場を目指しています。

さらに、本展では公益財団法人三谷文化芸術保護情報発信事業財団が進める「グエン・ファン・チャン絵画保存修復プロジェクト」を紹介。作品保全や修復という視点からも「ベトナム、記憶の風景」の意義を広げ、芸術遺産を未来へつなぐ取り組みを伝えます。
会場はおきみゅー内の企画ギャラリー1・2。観覧料は一般1,500円(前売・団体1,200円)、大学・高校生1,000円(800円)、中学・小学生500円(400円)、未就学児は無料です。障がい者手帳・療育手帳を持つ人と介助者1名は当日料金の半額となり、一部キャンパスメンバーズは団体料金で観覧できます。開館時間は9時〜18時(金・土は20時まで/最終入場はいずれも閉館30分前)で、月曜および年末年始などは休館日となります。
博物館と美術館が併設された全国でも珍しい施設である沖縄県立博物館・美術館は、グスクをイメージした建物の中で、自然・歴史・文化・芸術を一度に体感できる場所です。「ベトナム、記憶の風景」を通して、沖縄からアジアへと連なる記憶の風景に、静かに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。